愛される地元の老舗
-
「まだまだ修行中です」と謙虚に話すそば処「にいな」4代目店主の新名さん。昭和2年創業の老舗でありながらも蕎麦打ちの研究に余念がない。
-
蒲生町市街地のほぼ中心に位置し地元で長く愛される「にいな」はタウン誌や航空機の機内誌などでも紹介され、県外や海外の観光客も多く訪れる。
鮎だしの蕎麦
-
県内でも珍しい鮎だしの蕎麦が人気。だしに使う鮎は地元を流れる別府川で店主自ら捕る。90年以上にわたり代々受け継いできた漁法は今も変わらない。
-
「捕った鮎は串に刺して炭火にかけ、焼くでも炙るでもない〝ひぼかし〟という方法で鮎の水分だけをとばし旨味を閉じ込めるんです」と新名さん。「香魚」と呼ばれ都会では高級魚として取引きされる鮎を贅沢に使うだしは上品でまろやかに仕上がる。
地元産の野菜天を添えて
-
「冷たい天ざるそばもオススメ」と茹でたてをすぐに冷水でしめた麺も人気。
-
艶がある麺のコシとつるりと滑らかな喉越しにファンの箸は止まらない。添えられた天ぷらには地元産の野菜をふんだんに使い、食べやすいよう調理法にも工夫を凝らす。季節感を演出する旬の野菜と蕎麦の相性はバツグンだ。
蕎麦本来の魅力を届ける
-
蕎麦粉は品種改良をせず、その風土に根付いた「在来種」と呼ばれる蕎麦だけを使う。
-
栽培の難しい在来種は収穫量が少ないため貴重だが、蕎麦本来の豊かな香りと深みのある味わいをもつのが大きな特徴。「生産者と顔を合わせ、納得した蕎麦の実だけを挽いています」と素材選びにも時間をかけている。
-
「蕎麦は信州や越前が有名ですが、かつて生産量全国2位だった鹿児島の蕎麦をもっとたくさんの人に食べてもらいたいですね」と話す新名さんは鮎を求め、今日も川へ向かう。
お店の情報
-
所在地: 姶良市蒲生町2546番地
-
電話番号: 0995-52-0028